🎓What I thought🎓
☀️今週はお休みです☀️
📚What I read📚
BNPLは誰がなぜ使うのか——クレカが面倒?
さて、日経新聞の記事からBNPL(Buy Now Pay Later; あと払い決済)に関する記事を紹介したい。
記事ではマネーパフォーマンス(マネパ)なる言葉が出てきて、率直に言って意味はまったくわからないがしかし、要は記事の主張としては「若い人ほど決済に時間をとられたくない」らしい。
なるほどそう言われるとわからないではない。僕はメルペイをたまに使うのだが、それは決済がすぐ終わる上に自由度が高いからだ。メルペイの場合、今月決済したものは翌月の1日から末日のいつでも支払いをしてよい(はず)。特に口座振替の手続きもいらず、メルペイにチャージしてその残高で支払う。全てスマホで完結する。
先日メルペイカードを作った。それには面白い機能があり、クレジットカードなのに「はやめに払っておく」ことができる。メルカリの商品であれば、メルペイカードで買った直後にメルペイ残高で支払うことができる。これはもうほとんどあと払いでさえなく、デビットカードに近い。
このように、クレジットカードと(微妙にだが、しかし確実に)異なる体験がBNPLには備わりつつある。
しかし、クレカ派現金派論争で常に話題に上がるが、なんでもあとで買えるとなれば使い過ぎてしまうのではと素朴には考える。しかし、実は一概にそうとも言えない。記事には、
メルペイが21年に実施した調査によると、20〜30代がBNPLを利用する理由として、34.8%が「利用金額の把握のしやすさ」を挙げた。各社はいつ、何にいくら払ったかを、アプリですぐに視覚的に確認できるほか、使いすぎを防ぐために限度額を自由に設定できるサービスなどを提供する。
とある。確かにメルペイもあと払いで使える上限を設定できるし、何にいくら使ったのか、今月の利用額はいくらで枠の上限までいくらで達するのかはこれまたスマホで見えるし、決済して即時で反映される。クレジットカードのように数日待たないといけないなどということもない。
一方、クレジットカードは何でか知らないがいつのまにか自分の使える上限額は上がり続け下がらない。自分の月給を優に超える枠を僕は持っている(もちろん、そこまで使わないのだが)。これは普通に考えれば不合理だ。
このところ思考停止で「別にクレジットカードでよくね」と思っていたけど、細かなUXの差と自分が認識していたところが、他の属性をもった人にとってクリティカルになったりする。これだから世の中分からない。
Z世代はマネパ重視、後払い決済活用 カード番号の入力すら手間 - 日本経済新聞
🎥What I Watch🎥
命を賭けて情報を伝える、戦争に勝つために
いつもは記事ばかり伝えているが、今日はBBCのドキュメンタリーを紹介したい。
ロシアの民間テレビ局で唯一、特殊軍事作戦を「戦争」と呼び一貫して戦争に反対し続ける立場をとっているのがレインだ。レインはYouTubeで放送している。
このドキュメンタリーの主人公夫婦はいまロシアにいない。亡命し、亡命先でロシアに残る市民に対して情報提供を続けている。
なぜ命を賭けてまで彼らが事実を伝えることにこだわるのか。
キャスター夫婦の妻、カーチャさんは母親を若くして亡くした。当時住んでいたマンションが爆破されたのだが、爆破の真相はいまもわかっていない。プーチンが権力の座を独占するためにロシア当局がしかけた謀略だという噂もある。
いずれにせよ、彼女の人生はそこで完全に変わった。彼女が記者に、ジャーナリストになったのはそのためだ。
このドキュメンタリーは最後、レインTVがロシア市民がプーチン大統領を止められると思うとし、以下の言葉で締めくくる。
They(citizens of Russia) just need to have the information about what is happening in their country.
事実を事実として広め続けること。渦中の当事者に伝え続けること。それは文字通り世界を変えられる、命を賭ける価値のある行為なのだ。
OUR WORLD : プーチンのプロパガンダとの闘い(字幕版)
💼 Where I visited 💼
DevRel/Japan CONFERENCE 2023に行ってきた。
セッションについて思ったことは別途他の記事にまとめたいのでここには深くは書かない。
思ったのは、やはりみな人に知ってもらう、人に行動してもらうことにとても苦心しているということだ。相手が開発者だからといって、その難しさは何も変わらない。
自分を知ってもらうために活動をするのが採用広報や技術広報だ。そんなシンプルなことがかくもどうして難しいのか。そこにはどうも知ることが権力を帯びることと表裏一体に思えてならない。
カンファレンスについては、久々に人がたくさんいるところに行ってとても疲れた。懇親会では色々と話したけど、身体が頭についていってなかったみたいであんまり何を話したか覚えていない。
ここ最近はなるべくオフラインで人に会うことを重視しているので、その活動の一環としてはとてもよかった。あまり頻度高いと疲れるけど、たまにはこういう刺激があるととてもいいなと思った。
今週はなぜかやたら性暴力に関する話題が目につく。
たまたま久しぶりに聞いたバイリンガルニュースでは、BBCのドキュメンタリーでジャニー喜多川氏の性加害について放送されていた話をしていた。
新聞を見てみたら、イスラム国に制圧された地域にいた女性が性奴隷にされたという記事があった。性奴隷ってすごい言葉だなと、30年くらい日本語に触れてきていま初めて思った。
被害者が男性か女性かは関係なく、性暴力は被害者が声をあげられない構造的な問題をはらんでいる。
声をあげられないということがどういうことなのかを深く考えたことが実はほとんどなかった。しかし、声をあげられないということはすなわち相手の行動を引き起こすためのほぼ唯一の武器が使えないことを意味していると、半年くらい前に気づいた。
以前、『権力に翻弄されないための48の法則』という本を読んでいた1。その本には、注目とはそれすなわち権力(Power)であるということが書かれている。どんな形であれ、知られようと努力することそのものが実は権力闘争なのだと僕は解釈した。
実際、今日紹介したBBCのドキュメンタリーも事実を広めることで戦争に終止符を打とうと活動している。多くの人が誰かや何かを知っている状態を作り上げることはそれだけで大きな力になりうるのだ。
とはいえ、こと性被害というのは言うまでもなくデリケートな話である。だから誰にでも頑張って被害を告発するべきだ、そうしなければ社会はよくならないぞとか言うわけにもいかない。
しかし、最初から権力闘争のステージに上がれない、非常に上がりにくい構造は問題である。一度被害者という立場に立ってしまうと、弾圧されてまともに闘える立場ではなくなってしまう。農民が王族にまともには権力闘争ができないのと同じだ。
しかし、残念ながら世界をよりよくするためには当事者が闘う以外の方法もない。本当にないのだ。誰かに授けられた権利は結局身につくことはないし、問題は自分で解決しなければならない2。
じゃあなにをどうすればいいのか。わからない。わからないから、今日も勉強している。まだまだ学ぶべきことしかない。世界にはわからないことが多すぎる。
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なんでこんな本で気づくのかと我ながら思った。人間、どこでどのようなアイデアが何とつながるのかわからないものだ。
問題は解決するべき当人が解決しなければ、どんなにいい解決策を講じたとしても事態がよくならない。逆に、当人が頑張って解決をすれば解決策があまりよくないものであっても事態はよい方向に向かうと『最前線のリーダーシップ』に事例つきで述べられていた。