🎓 What I thought 🎓
毎朝の読書
このところ毎日、朝の時間を読書に使っている。短くて30分くらい、長いと2時間ほど本を読む。
読んでいる本はさまざまだ。直近で読み終えたのはフランス革命に関する本だ。並行してマルクスの資本論に関する本やロシア革命に関する本などを読んでいる。歴史関係ない本でも、ソフトウェア組織やリーダーシップに関する本を読んだりしている。なるべく朝に読むようにしている。
毎朝本を読むのが楽しみで早く寝るようになった。朝が楽しみになると、夜あれこれしようとせずに早く寝られる。好循環である。
毎日を効率よく生きる
朝に有意義な時間を過ごしていると、不思議なもので昼、夜の過ごし方も自然と整ってくる。
そしてふと思った。自分を効率よく使うには規則正しい生活をするのがいいのだと。なんだか心で気づいた。
確かに細かいところに改善の余地はある。アプリもSaaSも便利だ。しかしそもそも、生産性の鍵は道具ではなく自分の脳である。僕はゴリゴリのデスクワーカーで公私関係なく頭を使う仕事しかしていない。そんな僕にとって生産性のボトルネックは脳以外にない。ということは、脳をフルパワーで稼働できる時間を最長にするのが一番の生産性向上施策なのではないかと思うに至った。
当たり前のことに気づけない
おそらく、これを読んでいるみなさんは生産性向上の秘訣は規則正しい生活習慣なのだと言われて別に何も意外に思わないだろうし、得るものもないだろう。何を当たり前なと思っている読者も多いことと思う。
その気持ちはとてもよくわかる。僕も何度も「ダイエットをするには適切な食習慣と適度な運動以外の答えなんてないじゃないか」という主張を何度もしてきた。そんなわかりきったことになぜ違う答えを探したり、提示されたら飛びついたりするのかと。
しかし、やっと当たり前のことに気づけない状態が(これもまた)心で分かった気がする。当たり前のことでも、心で理解するのは結構難しいのだ。心が信じきれていないから、違う答えを見つけたり提示されたときに喜んで飛びついてしまう。
思えば僕もキーボードにこだわったり、テキストエディタにこだわったりと色々とやってきた。当時は自分の頭を鍛える以外の効率のよい方法を探していた。しかし「結局一番プログラミングを遅らせているのは脳だな」と思ったらどうでもよくなった。
当たり前すぎることは、却って気づけないのだ。
いまを維持しよう
どうすれば脳を効率よく使えるのかを考えたことはあまりなかったと思う。しかし、よく寝た方がいいんだろうとは思っていたし、たぶん朝は早く起きた方がいいことも知っていた。
どれも実践はしなかった。実践しなかったことに理由なんてない。
いまトップクラスで自分の脳の生産性が高い状態を維持できているなと思っている。では、この習慣を維持するためにどうするのが良いのだろう。それを考えたいと思っている。
いまこれを書いているのは21:30なのだが、既にとても眠い。ひどい時期は午前3時になっても眠れなかったのに。数週間で人の習慣なんて変わるものである。
📰 What I read 📰
配信日の翌日、24日はウクライナ侵攻から1年です。いまも毎日、バイデン大統領のキーウ訪問や中国外相のロシア訪問など動きが続いています。
僕はジャーナリストではないので王道の記事を取り上げたりはしません。しかし今日は、ウクライナ侵攻に関する記事で王道ではないけれど僕が面白いと思った記事を取り上げます。
ロシア将校のことばと、人生
ロシア兵に取材するのは難しい。そもそも戦場にいて近づけないし、ロシア国内では取材に大きな制約がある。どうしたら肉声を聞けるのか。捕虜となったロシア兵への面会許可が下りたのは2月上旬だった。朝日新聞では初めての取材だった。
朝日新聞デジタルに捕虜となったロシア将校の取材をした記事が掲載された。
まず、ロシアの側に立った人物の言葉が日本語で報じられていることが素晴らしいなと思う。その言葉がどのようなものであれ、意義深い。
この方には12歳の娘さんがいらっしゃるそうだ。立場の違いはあれ、娘を残して戦場にきて、そしてどんなときも感情に出さぬよう訓練されている軍人としての姿。えもいわれぬ気持ちになる。
対立を深めすぎると何が起きるか
続いて日経新聞より。中国の古典を引き合いにウクライナ侵攻や現在の米中対立を見るコラムを紹介したい。
とても面白かった。2010年の尖閣諸島沖での海上保安庁の巡視船の体当たり事件を発端に起きた日中の対立を引き合いに、「相手を追い詰めすぎないこと」の重要性を説く(それも出典は孫子である)。話を現在に当てはめると、米国の行動は果たして「良い」のか?という結びへと繋がっていく。
仮に「正義への共感」からくる行動であったとしても、相手との対立を深めた先にあるものはなにか。正義の数だけ悪が存在する。正義の力が激化するほど、相手も激化する。
融和が大切などというとあまりにも陳腐だし、別に相手のことを全て認めればいいわけでもない。ただ過ちを過ちと指摘することで世界を救うことはできないのだ。
世界史の一大イベント - フランス革命
最後に1冊。ウクライナ侵攻は関係ないが、『物語 フランス革命』を読んだ。
一七八九年、市民によるバスチーユ襲撃によって始まったフランス革命は、「自由と平等」という光り輝く理想を掲げ、近代市民社会の出発点となった。しかし、希望とともに始まった革命は、やがて恐怖政治へと突入、ナポレオンを登場させ、彼の皇帝即位をもって幕を下ろす。本書は、ドラマに満ちた革命の有為転変をたどりつつ、当時を生きた人々の息づかいな社会の雰囲気を丁寧に追い、革命の時代を鮮やかに描き出す。
この本の特徴としてはまず(世間一般の評価とは対照的に)革命期の王家を非常に好意的に描いていることにあるだろう。ルイ16世の王としての成果や、マリー・アントワネットがなぜ悪名高いのかを当時の慣習も踏まえて紹介している。
フランス革命といえばギロチンを思い出す人も多いと思うが、ルイ16世がギロチンの発明に携わっており、自分が発明に携わったギロチンで自らの命を落としたということや、処刑直前の態度からカトリック教徒としての心身深さが窺えるとの指摘はとても興味深い。
また、多くの女性の活躍が描かれている。革命のために武器をとった女性、恐怖政治の下で立派に命を落とした女性、ナポレオンに見初められた女性などなど。
フランス革命自体とても面白い出来事だが、個々人の素顔という側面からもフランス革命を味わえる一冊だった。惜しむらくは、逆に(?)有名な出来事への詳細な解説や軍事的な詳細は少ないのである程度フランス革命を知ってから読んだ方が面白いと思う。
物語 フランス革命―バスチーユ陥落からナポレオン戴冠まで (中公新書)
💼 Where I visited 💼
スタートアップアクアリウムに行ってきた。
このイベントはスタートアップ各社とカジュアル面談をしたり、キャリアやスタートアップに関するセッションを聞けるイベントである。
誤解のないように先に書いておく。僕は転職活動をしていない1。もちろん、さまざまな事業、技術の話を聞きたいからこのイベントに参加した。だけどそれは転職を考えるのとは似て非なる気持ちだ。
もちろんとても刺激を受けたし、VCの方のセッションや各社の話はとても興味深かった。
何より思ったのが、僕はやっぱりスタートアップ好きだなということ。たしかに最近、マルクスの『資本論』について勉強したりしているようにこのところ資本主義に懐疑的ではある。けれども、一斉に熱意のある人が集まった景色を見ると、やっぱり社会はもっとよくなるんじゃないかなと素朴に思える。
そんな機会だった。
もう3年ほど前のこと、ヨルシカの「八月、某、月明かり」という曲に関するエッセイを読みました。今日、この曲を聴きながらふと思い出してもう一度読み直しました。
【この一曲】天才になれなかったすべての私たちの余生に捧ぐ--ヨルシカ“八月、某、月明かり” | BadCats Weekly
本当に、心に刺さる記事です。
願うばかりで努力をしてこなかった私が、何者にもなれなかったのは自明だった。
(中略)
私にもし才能があるのなら、その証明として25歳で死なせてほしかったし、才能がないなら、なおさら25歳で死にたかった。「そうじゃない」人生を、それ以上生き延びなくてすむように。
このエッセイを書いた人のようなことを僕も考えていました。僕は天才で何者かになると信じて疑っていませんでした。年齢は決めていませんでしたが、30歳になるまで生きようとは思っていませんでした。掃いて捨てるほどよくある話です。
いま僕は30歳を前にして、それなりに前向きに生きています。いろいろな人のおかげです。天才じゃなくても生きている意味はあるし、生きているべきだといまは心の底から思っています。
しかし、そういう自分を肯定する気持ちとは全く矛盾せず、天才になれなかった自分の余生を生きているという感覚が僕にもあります。僕はもうきっと何者にもならないし、なれません。そしてそれでいいのだと「諦め」ました。そう思って書いたのが、『何者でもいられなかった』です。
最近、子どもの教育や支援に少し関心があります。大した稼ぎではありませんが、もしこの社会で自分のお金を最大限有効活用するなら、自分はそこに投資したいと思っています。
見ず知らずの子でも、海外の子どもでも、未来の可能性が今よりも少しでも開けるのであればもう少し働いてみてもいいかもなと思うのです。
僕の余生はそのためにあるのではないかと、自分に言い聞かせて。
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ていうか活動しているなら、このイベントに行ったことを公表しない。