#64 単純な罪、複雑な表層
複雑な世の中を軽やかに受け流す
今週の読書
渇愛
『渇愛 』を読んだ。頂き女子りりちゃんに迫るノンフィクションである。
僕はかつて『貧困とセックス』という本を読んだことを記事にした。なぜかそこそこにはてなブックマークされている(2016年、個人ブログはまだ息をしていた)。
だからというわけでもないが、歌舞伎町を代表とする夜の街ではなにが起きていてもおかしくないことは知っている。そしてそれが明るみに出たとして、一概になにかを否定すればよいわけでもないことも知っている。行政が支援すればよいわけでも、当局が介入すればいいわけでもない。この世はもっと複雑なのだ。
複雑さを立ち上げるノンフィクション?
このノンフィクションは事件の表層から複雑な背景へと迫るものだ。
りりちゃんこと渡邊真衣受刑者は、現在も服役中である。懲役は8年6ヶ月の判決だ。
本書では複数の視点が描かれる。男女の事件の受け止め方の違い、ホス狂いとホスト自身、加害者と被害者、加害者の支援者、加害者の家族などだ。
それぞれの視点で、それぞれの立場でこの事件を見ていく。その過程で著者も渡邊氏に惹かれていく。
結論として、こんな複雑な事件で難しかったねと思う。そんな本だと期待していた。
現実は複雑だが、この事件は単純
だが、僕はこれを読み終えて思った。この事件は本来、至極単純であると。
渡邊氏は詐欺をしていた。それに疑いの余地はない。それで終わりだ。
この世界には表層のノイズが多い。そしてこの事件には特に多い。
家族との不仲があり夜の街に入り浸っている少女がホストクラブで金を使い倒している。自分自身のお金を得る方法論(頂き行為)をマニュアルと称して販売している。「りりちゃん」は動画などで顔を出しそのキャラクターや振る舞いで話題になっている。
それらすべては、本筋ではない。彼女が問われている罪は詐欺罪であり、被害者からお金を騙し取ったことにしかない。
ここで彼女が20代の女性で、被害者が40代の男性であることがこの事件の表層をまた作り出す。若い女性と歳の離れた男性が親密な関係になった上で、金銭の授受をしている。それを聞くと「パパ活」とレッテルを貼られてしまう。
しかし(コトの法的な解釈や倫理的な良し悪しは置いておいて)パパ活は男女双方の合意がある行為だ。少なくとも詐欺罪ではない。
もし仮に、渡邊氏が同性からお金を奪っていたら。こんな騒ぎになっただろうか?彼女を擁護する人(特に女性)はこんなにもいただろうか?
一線を越えるか
もちろん、渡邊氏と男性の関係、家族の関係。ホスト自身、ホストに狂う人といった歌舞伎町の文化など、この事件の周辺はやはり複雑ではある。
とはいえ、どんな環境に居たとして犯罪をする人はするし、しない人はしない。それだけだ。
人を殺す動機がなにであれ、意思を持って人を殺したら殺人罪である。人を騙して金銭を受け取る人の事情がなにであれ、詐欺罪なことに変わりはない。
この事件は表層が多すぎることにより、渡邊氏自身どころか、その周辺さえも彼女の罪がなんなのか分かりづらくなってしまっている。だからこそ、著者でさえ渡邊氏に絡め取られかけるのだ。
しかし、冷静になれば渡邊氏自身が自分の意思で一線を越えた。ただそれだけの事件だ。
この本を読み、僕は彼女に同情の余地は全くないと思った。もしなにか同情できることがあるとするなら、彼女が女として産まれたことだけだろう。
この世界は複雑だが、彼女の罪は単純明快だ。
親知らずを抜いた
1/22に親知らずを抜いた。これで4本すべての親知らずを抜いたことになる。
2024年から実は歯科治療で、長期にわたり通院している。理由はいくつかの歯の根管治療と、その前提としての親知らずの抜歯にある。今回抜いた親知らずは実は根管治療と関係ないのだが、ついでなので抜くことにした。比較的若いうちに問題になりうる種は摘んでおいた方がいいだろうと思った。いまが1番若いので。
諸事情あり大学病院にて根管治療も受けている。町の歯科医でも根管治療は普通はできるのだが、わたしの場合強い麻酔を使うので大学病院に行っている。
この麻酔を1-2ヶ月に1回受けているのだが、終わった後やたらハイになることがわかった。
この間、麻酔明けにすさまじい勢いでNISA口座について調べ始め、気がついたら今までやっていた積み立てNISAを別の会社の口座に変更する方法を突き止めやり方を調べ切ってしまった。
なんでそんなタイミングなのかよくわからないが、脳(というか理性?)が弱くなるタイミングなのが影響するのかもしれない。
というわけで、いま僕は証券口座を開設しNISA口座も申請している。来月くらいからNISAを再開するためにクレジットカードの発行とかもせねばとか考えている。
そんな感じだ。なんで年末の病院でそんなことを考えていたのかはとんとわからないが。
今週の1曲
今週は indigo la End の「夜風とハヤブサ」。
抜歯の痛みを引きずりながら、実は今週は結構大事な開発を終わらせていた。
軽快で心地よいリズムで、はやく仕事を終わらせて休みたい。


